ファイナンス(財務省広報誌)2016.9に『生まれ変わるデザイン-持続と継続のためのブランド戦略-』の書評を頂きました。ありがとうございます。
参考 http://www.mof.go.jp/public_relations/finance/201609a.pdf
掲載許可を頂いていますので、抜粋してご紹介します。
本書の副題は、「老舗のデザイン・リニューアル事例から学ぶ、ビジネスのためのブランド・デザインマネジメント」である。(中略)。使えば使うほど資産としての価値が上がるデザインを作り、育て、ブランドを守りながら未来を生き抜くための戦略をまとめた1 冊です。」と簡潔に紹介している。
第1章は、老舗まんじゅう屋である「笹屋皆川製菓」の新たな商品(プリン)のパッケージデザインから、この老舗全体のデザイン・リニューアルまで構想し、成功に導いた事例が、筆者の発想の流れとともに詳述される。「新しい出会いや、心に残る体験、揺るぎない信頼関係といったものを築くためにデザインとは存在している」という。
第2章では、「『デザインは感性や感覚で作るもの』と多くの人に誤解を受けている節がある」が、「ことブランドのデザインについては『ものを見る目』が求められる」という。すなわち、「そのデザインが、どのようなクオリティであり、マーケットにおけるポジションを持ち、そのような空気を生むのかを判断することが重要」との指摘で示唆深い。
第3章では、「金子牧場」、「福島美味ブランドプロジェクト」の事例を紹介しつつ、日々変化する市場、トレンド、技術、消費者の関心、すなわち「時の流れ」に向き合いながら、「デザインが生きて成長し続ける」ことの重要性を読者に強く訴える。
第4章では、著者の主張の中核である、段階的な発展、段階的なデザイン、移行のための「成長するデザイン」のための考え方が、ロゴ、フォント、配色などからデザインをつくりあげる立場で具体的に解説される。また、試作や現場テストというアート性と切り離された手法が成功のカギを握るという。
簡潔に、かつ鮮やかに重要なポイントを切り取って頂き、最後はこう結ばれています。
第5章では、「笹屋皆川製菓」についての「デザイン・ガイドライ
ン」が示される。デザインの雰囲気・空気感、統一性と拡張性の重要性が鮮やかに示される。
アップルが、デザイン主導の経営をしていることはよく知られているが、比較的身近な商品を実例に、デザインによる問題解決を示す本書は、地域ブランディングなどにかかわるものにとっても極めて示唆深い。巻末のデザイン用語解説も含め一読をお勧めしたい。
もともと、評者の渡部さまとは、福島のプロジェクトでご縁を頂きました。当時、デザインとアートディレクターを担当していた福島ローカルを中心にした食の魅力を伝える季刊広報誌「福島美味めぐり」には、福島の伝統工芸品でもあるこけしについてのコラムもご執筆頂きました。
(ただ、こういったプロジェクトは、導入期が一番大変なのですが、予算がついた瞬間にいろんな思惑の人たちが現れて出でて大変ですね。初期のアートディレクションを担当したものとして、通販サイトの方はブランドのフォントすら、今は踏襲されていないようでとても残念です。)
当時、寄稿に際し、ご協力を惜しまず、ご尽力を頂いた方には、心よりお例申し上げます。
【編集後記】
540万円のロゴは高いのか?ということが話題になっています。
「くまモン」デザイナーに発注のロゴ540万円は高すぎ? 「30万円が適切」奈良の住民訴訟に批判も
http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/22/is-the-nara-logo-design-too-expensive-_n_12130574.html
要は「成果を重視するか」「手続きを重視するか」という価値感の差と、デザインそのものに対する不理解が原因と考えていますが、これについては、Facebookの方に沢山の方のコメントを頂き、公開設定にしていますのでこちらもご興味のある型は是非ご一読いただければ幸いです。
https://www.facebook.com/tomoko.uji/posts/10205963518005291
そのためヘルシンキ市では、市の内部の人たちに"デザインとは何か"を学んでもらい、デザイン文化を根付かせるアプローチを取っていく見込みです。継続的にデザイン文化を啓蒙するために、ヘルシンキ市ではCDO(Chief Design Officer)のポジションを設けることを発表しています。
会期 2016年06月20日(月)
時間 19:30~21:00(開場19:15~)
場所 2F 特設イベントスペース
主催 TSUTAYA TOKYO ROPPONGI
参加費 対象書籍 定価2,000円+税
共催・協力 ビー・エヌ・エヌ新社
申し込み方法 03-5775-1515 お電話にてご予約を承ります。
デザインをブランド資産化するための時間性戦略を伴った、デザインガイドラインおよびブランドデザインのシステムについての名称「Scalable Identity System」につきまして平成28(2016)年4月商標権を取得、手続きが完了いたしました。
商 標: 「Scalable Identity System(文字商標)」 識別番号:110001184号
出願人: 株式会社 ウジパプリシティー
私たちの日常生活のいたるところに存在する広告は、私たちにビジュアルメッセージを伝え、何かを感じたり、信じたり、行動したり、買ったり、自分を変えるよう説得しようとしています。
人々の日々の決断に無意識のうちに影響を与える、こうした広告にひそむ「隠れた力」とはどのようなものでしょうか? 本書は、心理学的視点に基づいて広告を分析し、ビジュアルに秘められた、人の決断や行動、考え方に影響を与える33の手法について、豊富な実例図版を用いて解説しています。広告や広報に携わるビジネスパーソンの方はもちろん、SNSの投稿やパーソナルブランディングで「写真やイメージ」の効果的な使用方法を知りたい、地域や町の観光資源などについてこれからイメージアップを図りたいという方にも是非、手にとってみてください。
01 抵抗感を認める02 脳にやさしいメッセージを作る03 フット・イン・ザ・ドア・テクニック04 夢のような効果をうたう05 自分で自分を説得してもらう06 別の役をキャスティングする07 「社会的証明」の力を利用する08 「保証」をつける09 魅力的な顔のモデルを起用する10 ユーモアをきかせる11 「希少性」の力を利用する12 「一時的な好意」を引き出す13 おとりの選択肢を用意する14 ザッツ・ノット・オール・テクニック15 「単純接触効果」を利用する16 「アンカリング」を利用する17 アストロターフィング18 商品を人間のように見せる、擬人化19 信頼できる顔のモデルを起用する20 混乱に陥れ、リフレーミングする21 メタファーを使う22 実行プランを提案する23 「返報性」の心理を利用する24 言葉の力を利用する25 性的表現を取り入れる26 「権威」の力を利用する27 「利益」のフレームと「損失」のフレームを使い分ける28 「初頭効果」や「新近効果」を利用する29 フィア・アピール・テクニック30 ダブルスピークを使う31 他人への「投影」を行う32 ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック33 サブリミナル効果を狙う
本書は、天保元年創業の老舗まんじゅう屋のデザイン・リニューアル案件をメインの実例にとり、ブランド・デザイン・マネジメントについて、知っておきたい考え方と重要性を解説します。 現在、地方創生が政策としても推進され、インバウンド需要や六次産業化によって、地域ブランドの新設やリニューアルが日本中で起こっています。詳しい内容や新刊記念イベント、デザインセミナーなどの情報もまた、こちらでご紹介します。是非、ご期待くださいね。
また、時の流れとともに縮小を余儀なくされる市場もあります。 それらの施策をより持続可能なプロジェクトにする成功の鍵が、拡張可能なデザインシステムとデザイン・ガイドラインの活用です。ただ作っては捨ててしまうだけのデザインではなく、ブランドの「今」を守りながら新しい挑戦をして生き残っていくために必須のデザイン戦略について、現役アートディレクターの著者が成功実例を挙げながら紐解きます。
使えば使うほど資産としての価値が上がるデザインを作り、育て、ブランドを守りながら未来を生き抜くための戦略をまとめた1冊です。
「ファイナンス(財務省広報誌.. |
at 2016-09-26 09:10 |
【繋げて・続ける】-山口(防.. |
at 2016-06-18 09:07 |
「Scalable Iden.. |
at 2016-05-25 07:40 |
【開催】第9回 デザインマー.. |
at 2016-05-16 05:00 |
デザイナーでない人にも是非読.. |
at 2016-04-24 07:05 |
一升瓶60本、250個超の升.. |
at 2015-11-20 12:51 |
【鹿児島のデザイナーさんとコ.. |
at 2015-10-04 09:10 |
オリンピックのデザインはなぜ.. |
at 2015-08-03 06:00 |
Buzz Colorについて.. |
at 2015-05-02 09:18 |
3つのピンク -ほうふ花燃ゆ.. |
at 2015-01-31 10:00 |
ファン申請 |
||