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クレーの食卓
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クレーの食卓は、画家パウルクレーが書き残した日記をもとに、彼の食生活やメモされたレシピなどが紹介されています。

彼はアトリエの凹んだ一隅に2つのアルコール煮沸器をすえた料理場を設備してそこで素晴らしい料理を作った。(中略)「ぼくのアトリエレストランはとてもすてき。今日は若鶏に野菜いため、天下一品の味。(中略)ぼくのヂュッセルドルフの個展について二人が話してくれた事はとてもよかった。お世辞は少しもなく、落ち着いて率直にぼくの多面性に注目し、美術史全体の中でも珍しい現象であるといってくれた事など、ぼくには貴重で、あの時の個展が世間一般の評価とこんなにもちがうふうに受けとめられたことなど、ぼくにははじめての経験でした。」(クレーの食卓より)




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当時のメモをもとに、再現された料理なども紹介されています。

クレーは、食いしん坊とだったと書いたが、毎日のように豪勢な料理や過多な食事をしていた訳ではない。それは、まったく逆で、クレーの家庭生活はつつましく、経済的にもけっして恵まれてはいなかった。それでも、彼が食いしん坊でいられたのは、彼自身、優れた料理人だったからだ。(クレーの食卓より)


クレーの日記は有名で、19歳のころから約20年間つけていた日記を、クレーが亡くなったあとひとり息子のフェリックス・クレーが整理して出版したものだそうです。

そのフェリックスは、父の料理する姿をこのように記しています。

「私の父が料理をしている姿を見ているのは、全くたのしみだった。彼の仕事運びは実に軽快で、まるで絵を書いたり、音楽を奏でたりしているかのように、喜んでそれをやってのけた。料理はたいてい5品か6品あり、ランス風やイタリア風にうまく味をつけて調理した。(クレーの食卓より)


料理を楽しんで作っている様子が伝わって来ますね、しかし「たいてい5品か6品」はスゴイ!

そして、以前、彫刻家の尾崎悟さんのアトリエをチームデルタの谷口さんとともに訪問した事を思い出しました。非常にお料理がお上手だったような記憶があります。

▼尾崎さんのアトリエを尋ねた時のコラム
クレーの食卓_e0103695_23342028.jpg




優れたアーティストと料理人は、やはり、共通のタグがあるに違いありません。



さて、先日非常に嬉しい、自著の書評を見つけました。


「食」と感性 - 『ただいま熟成中。』 〜学んだこと、食べもののこと、日誌〜



私のデザインレベルがまだ未熟なアシスタントの当時、
よく言われたのは「良いデザイナーになりたければ食べるものと着るものに気を使え」
ということです。




と、この部分をピックアップしていただき、とても嬉しかったですね。

晩年のクレーは第2次世界大戦の影響で故郷ドイツを追われ、スイスに逃れ晩年を過ごしていますが、詳細な料理のメモはその当時のものだそうです。

世の中は不景気で暗いニュースが飛び交っていますが、こんな時代だからこそ、美食ではなく「ごちそう」を、華美ではなく「おしゃれに」、そして毎日を楽しく自分らしく過ごしたいですよね。





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▼クレーの食卓
▼パウル・クレー/ウィキペデイア

▼彫刻家 尾崎悟公式サイト(UJIがデザイン手伝っています)
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▼チームデルタの谷口さんは、グルメとしても有名
by ujipublicity | 2009-04-20 23:59 | デザイン本とあれこれ