
結論を先に言います。フォントの種類を使いすぎなのです。
http://iida.jp/products/misora/こちらはウェブサイトです。見くらべて頂きたいのですが、
"iida"のロゴの書体やトンマナ(トーンアンドマナー)と"m i s o r a"のロゴの書体やトンマナ(トーンアンドマナー)がまったく違うのです。
ロゴタイプに使用している書体は"FUTURA"系。商品カテゴリのロゴタイプは"HELVETCA"です。しかも"iida"は、フォントのクセを強調するようにあえて、文字間を詰めて上部をカットしています。"FUTURA"は、もともと、Oや小文字のdaなどに丸みを強くつけています。「丸みの強調」されたフォルムと言うのは、そもそも人間はかわいい、女性的だ、と感じるようにできています。
それに対して、すべての文字のくせを極力排除した"HELVETCA"をさらに、文字間隔をあける、というのはくせ自体をさらに弱くする、主張を弱める、フラットな立場をとる、などという意味になっていきます。
というか、「そう感じて」しまうのです。
つまり、"iida"は、どこに向かっていて何を目指しているのかを、あえて伝わりにくくしている要因の一つが、プロモーションやサイトなどに使用しているフォントのばらつき、ということになります。
http://iida.jp/products/g9/製品本体には、さらに違う書体が使用されていますね。このブログでも何度かコメントしていますが、フォントは企業や製品やサービスの人格を表現しています。
「G9」については、「感性に響く上質なデザイン」とプロダクトデザイナーの高橋氏は説明しています。さて、この感性に響く上質なデザインとは、どんな感性のどんな上質だったのか、このようにインターフェースに存在感のある製品であれば、「感性に響く上質なフォント」の使用が求められるはず。ちなみにパンフレットでは、「数値ではなく、感覚をデザインした」とありますが、いったいどんな感覚だったのでしょうか。数字の「7」を見るかぎり、「感性」と言うよりもむしろ、ユニバーサルデザインや読みやすさ重視のように見受けられます。
AppleやAdobeはMyriado(ミリヤド)
HPやマイクロソフトやELLEはFUTURA(フーツラー)
CHANELやLufthansaはHELVETICA(ヘルベチカ)
の書体ををブランドやビジュアルのアイデンティティとして、フォーマット化の上、採用しています。
グラフィック、とりわけフォントには歴史も意味も、見た時に伴う「感覚」も存在しています。
ちなみに我が家は、家族全員auです。もちろん「家族割」。
ここへ来ての突如のiPhoneの参入で、auを手放すか、WILLCOMを手放すかで揺れています。auのデザイン戦略には、本当にがんばって欲しいと心から願ってやみません。
そういった意味でも、「デザインの必要性を感じ」ているのであれば、ぜひ、フォントとブランドの関係についてもがんばって欲しいなぁと感じています。
キータイプフォントを決めているのはデザイナーが「さぼるため」ではないでのす。逆にいろいろなフォントを使いたがるデザイナーに対して、メーカーは「ストップ」をかけなければならない立場にあります。
フォントのデザインとはその商品やブランドの「コミットメント」をグローバルに、かつ明解に伝えるための視覚伝達デザインであり、コミュニケーションのためのデザインなのです。
【関連記事】
▼ブランドは方程式では作れない▼店つぶれても、街が栄える「自由が丘」と言うブランディング