『おじさん図鑑』は、イラストレーターのなかむらるみさんが、およそ4年間に渡る観察、取材により、味わい深いイラストと写真を使ってまとめたその名のとおり
「おじさんの図鑑」。
あちらこちらで既に話題のベストセラーですが、書籍の袖に「これからの人生を歩むヒントが見つかるかも」とあります。
すでに読まれた方もたくさんいらっしゃると思いますが、個人的に注目したいのが48種類に分類したおじさんを5つのポイントで採点する「総合評価」。写真の「夏には欠かせない」「75点」と高評価なのは
「白っぽいおじさん」。
なかなか厳しい評価もあります。
なんとなく嫌なおじさん
・・・・・総合評価25点 コメント[もうおじさんだし、救いようがない]
うるさそうなおじさん
・・・・・総合評価35点 コメント[怒られたくないのでポイント低め]
もう、笑いが止まりません・・・・(笑)
だって「うるさそうなおじさん」「なんとなく嫌なおじさん」がそもそも高評価のわけはありませんよね。この独特の分類自体がすでに、大変ユニークなのです(笑)。
ちなみに高評価のおじさんでおもしろいところはこんな感じ。
酔っぱらいのおじさん
・・・・・総合評価95点 コメント[おもしろさはNO.1]
お疲れのおじさん
・・・・・総合評価76点 コメント[応援する気持ちを盛りました]
あほ面のおじさん
・・・・・総合評価70点 コメント[極めれば有名人]
いわゆる「職業」や「役職」などにはさほどこだわらず「表情」や「態度」などのノンバーバルコミュニケーション要素、「習慣やくちぐせ」「出没する場所」などの行動観察でセグメントされており、いかにも女性らしい「印象による分類と評価」といえます。
これ、同じ人でもこんな態度だと(印象を持たれると)嫌われ、こんな姿だと(印象を持たれると)むしろ愛され応援されるという指針にもなりそうな気がしますが・・・・・
さて、実は先日、
慶應大学で教鞭をとられるジョンキム先生(注:ちなみにキム先生はおじさんではなくイケメンです☆)のお招きで
"Technology Future Shock :Society,Policy and Innovation in the Digital World"という研究会にお邪魔させて頂く機会がありました。
ゲストバネリストであられる、マイクロソフト社のDan Reed氏からは、まさに「Technology Future Shock」ともいえる、ビッグデータの問題、周波数におけるホワイトスペース問題、クラウドデータ社会におけるプライバシーやセキュリティの問題など多岐にわたる先鋭的な考察と興味深い最新事例をお話し頂きました。
終わりの質疑応答だったかと思いますがDan Reed氏より「あまりにもテクノロジーの動きが速い、不確実要素が多いインターネット社会」という状況下における「中長期的成功」のためのヒントをいくつかくださいました。特に印象に残った、氏の回答をひとつご紹介します。
「そもそも、人間とはどういうものかということを知ること」
『おじさん図鑑』の書籍の帯には「すべての若者に捧ぐ」的なことが書かれていましたが、なかむらるみさんのような、人間を愛をもって深く観察する視点と姿勢は若者に限らず、特に早い動きが想定される場面での中長期的な計画を立てる際にはいろいろと参考になりそうな気がします。
ほかにも、ご紹介したいおじさんが山盛りなのですが、これ以上はネタバレになってしまうのでご興味のある方はぜひアマゾンでなく、できれば書店さんでぜひ手に取ってみてくださいね。
それではみなさん、どうぞ良い週末を。
【編集後記】
『おじさん図鑑』をご紹介頂いたのは、
SHIBUYA TUTAYA BOOKSのTさん。よく新書のランキングに入れて頂くので、版元さんに無理をお願いして先日(というかかれこれ2、3カ月ほど前ですが)お訪ねさせて頂きました。レジ横のサブカル棚はなんだかドキドキするラインナップで、Tさんはじめ店員さんも若い女性が多い印象です。
こちらのジャンルにご興味がある方はもちろん、渋谷駅のハチ公口目の前の交通至便な書店さんですので、待ち合わせ場所などにもおすすめですよ。Tさんはツイッターの中の人もやっていらっしゃいますので、入荷情報やランキングに興味のある方はぜひフォロー☆
http://twitter.com/shibutsutaBOOK