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赤ちゃんが示す『不気味の谷』とこわかった「ニセのウルトラマン」
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先日、顔の50%がお母さん、50%が他人という合成写真(モーフィング映像)に対して、生後9カ月ごろから赤ちゃんは嫌悪するような反応を起こす「赤ちゃんが示す『不気味の谷』現象」を東京大学大学院総合文化研究科の岡ノ谷一夫教授や理化学研究所の松田佳尚研究員、京都大学大学院教育学研究科の明和政子准教授らが発見し、ネットなどでニュースになりました。

母親と他人の狭間 -赤ちゃんが示す「不気味の谷」現象を発見-京都大学
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120613_2.htm
赤ちゃんが示す『不気味の谷』現象を発見 | エンタープライズ | マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/news/2012/06/13/046/index.html


むしろ完全な「別もの」であれば受け入れられるのに、中途半端に「本物」に似ているもの、つまりニセものに拒否(不快)反応を示してしまう。これは赤ちゃんばかりでなく誰でもが感じうる一般的な感覚であり、誰もが持っている「不気味体験」のひとつでしょう。


思い浮かびやすいものとしては、縫製やら表情やら「何かがおかしいミッキーマウス(ニセぬいぐるみ)」や、安すぎる(!?)と思われる「違和感漂う(ニセ)ブランド時計」などでしょうか。
また、個人的には一目で売り絵とわかる陳腐なシルクスクリーンなどが高価すぎる値付けで売られているのを見かけたときにも、同じく背筋がぞっとする感覚におそわれる事があります。
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そういえば映画のシーンにもよくありますね。何かのはずみで「え、本物じゃない!?(ちょっとおかしい?)」と気づいた瞬間の恐ろしさといったら・・・。


「じつは凄い怪獣よりもニセのウルトラマンの方が、いや、実際、ニセのウルトラマンがいちばん怖かったかもしれないよねぇ。」


たまたま同世代のクリエイターたちと話していて、「ニセのウルトラマンがいちばん怖かったよね」という話題で盛り上がりました。一方でウルトラマン(のオリジナル)を知らない世代はきょとんとしています。「本物」を知らないから、当然「ニセもの」も怖くはない、不気味の谷の現象は起こりえないわけです。(※ニセウルトラマンをレビューしておられた方のブログからおかりしてきました)
http://blog.livedoor.jp/hacchaka/archives/51694952.html



Tumblrなどで流れてくる、クリエイターがらみの笑い話にこんなくだりがあります。
お客さん「君、次はいまだかつてない画期的な企画を出してくれたまえ。」
クリエイター「わかりました!」
クリエイター「いまだかつてない画期的な企画をお出しします!」
お客さん「よろしい。では、さっそくだが会議にかけるので前例(成功事例)を提出してくれたまえ。できれば国内のもので、なるべく大手企業の事例がいいな。」
クリエイター「え、えっ・・・・!?」
これはいかにもな笑い話なのですが、つい数年くらい前まで、こういった事はデザインの現場でもしばしばありました。「画期的に新しい、●●風のデザインにしたいんだけれども…」と。


ところが最近では、逆に企業などの方から「知財としてのデザイン」に関する研修の依頼などが増えてきています。
つまり、まがい(ニセ)物やコピー的なものをつくる事それ自体が(インターネットやソーシャルメディアの発展で)すでにリスクとなっているのです。

そう考えてみたら、デザインはもちろん、コンテンツを作成する側にとっては本当にいい時代です。以前は結構あったケースでしたが、最近ではうちにも「●●風のデザインに」というお客さんはもう来ません。

マーケティングやウェブサービスの多くは、その手法にせよ開発技術(商品/サービス)にせよ、米国のリーディングカンパニーをずっと必死で追いつづけているかのよう・・・。でも、一ユーザーとして、別に格段そうしたくなくても、そうせざるを得ない状況です。(facebookにせよ、GmailにせよDropBoxにせよ、私自身は使わざるを得ない状況です。代替が見つかればまた別ですが。)

一方で、もともと日本はコンテンツ作成の分野で言えば、才能と技術とオリジナリティーの宝庫です。先ほどのウルトラマンものも然り。(他にもいろいろとあると思いますが。)

デザインのジャンルで言えば、先日、アノニマス(無名の)デザインの究極ともいえる「カタガミ展」が開催されました。その第1弾の東京展では専門家をはじめ多くの人々がその品質の高さ、技巧と独特のデザインの美しさを絶賛し、「KATAGAMI」が西欧のさまざまな美のリソースであった事を実感しました。

(参考)http://katagami.exhn.jp/exhibition/index.html




この記事を読まれている世代がどのくらいの方々なのか想像がつかないのですが、次代を担うクリエイターであればやりがいと希望に満ちた時代の到来なのではないかと私自身は考えます。

「何かにそっくりでぞっとするね」などと言われない、言わせない、オリジナリティーに溢れた作品をつくればいいのです。

そのためにも、せっかくつくったオリジナルを「あれって、△△の焼き直しっぽいよね」などと言われないためにも、古き良き名作を知っておく、つまり本物やオリジナルを大量に見ておく(調査も含めて)ということは大切かなあと思います。(逆に先人には、ぜひ名作をリスト化して目にふれやすい状態にしておいて欲しいな、と心から願います。)



ウェブで「ニセのウルトラマン」を調べていたら、こんなものがでてきました。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5136188
ウルトラマンvsニセウルトラマン(ザラブ星人)‐ ニコニコ動画(原宿)
ニコニコはあまり見ないのですが、セリフ入りで3分間はあっという間。大変におもしろく拝見しました。


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「どっちがニセだか分からんぞ」
「いや、ひとめでわかるだろw」


と、ここでも「『不気味の谷』現象の不一致」を垣間みることができますよ。




【編集後記】
こちらの記事は「あやとりブログ」でもお読みになれます!(デビューしました☆)
あやとりブログ”(略称“あやブロ”)は個人ブログではありません。メディアやコミュニケーションが日々刻々と変化している現在、次のテレビはどうなるのか…、次のメディアは…、そして新しいコンテンツビジネスは…など様々なテーマを考える上でヒントとなるような分析・オピニオン・批評を、様々なライターが書きつなぎます。

テーマのジャンルは、テレビ番組だけでなく、ラジオ、ゲーム、アニメ、広告、新聞、書籍、インターネット、ケイタイ、電子書籍、さらにはコンテンツの海外展開、著作権問題、新しいデバイスなど、メディアやコンテンツに関わる全てです。

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ちなみに「あやとりブログ」では、メディアやコンテンツに関わる記事投稿も受けつけているそうですよ☆



(おまけ)

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by ujipublicity | 2012-06-27 16:39 | クリエイエィブ雑感