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今日から使える実践的3つのデザイン戦略講座(かごしまデザインアワードを終えて)
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「かごしまデザインアワード」の最終審査が終了しました。大賞受賞者は、佐藤春香さん (千葉県)による「鹿児島黒豚の革を使った大人のタブレットケース」鹿児島で黒豚の生産・販売をしているノガミ産業さんによるプロダクトデザインの課題です。

かごしまデザインアワードとは
鹿児島市では、デザイン性を高め、商品・サービスの魅力を消費者にどのように伝えるかを、企業とデザイナーがともに考えるためのオープンな<場>
ということもあり、今回、審査に携わるにあたり「今、求められていてるデザインとは何か」という意味で大変に参考になるところがありました。せっかくなので私なりの視点ですぐに使えそうな3つをご紹介しておきたいと思います。(アワード全体のレポートについては公式ホームページをご覧ください▷http://kagoshima-design.jp/



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「言われたままのデザイン」では市場縮小リスクを避けられない時代に・・・?
1.未来をひらく「市場のデザイン」(Marketing Design)

課題「タブレットのケースデザイン」に対して、多くの応募者がiPadケースのデザインを提案しました。一方で大賞受賞者の佐藤さんは、[タブレット市場の流動性]を指摘。より汎用性の高い「サイジングフリー」なデザインを設計しています。

市場を理解するという事はデザインコンサルタントにとって必須ですが、未来にマーケットが拡大する可能性を拓くデザインを提案することはさらに重要です。「単に受託(請負)するのではなく市場拡大可能なデザインを提案する」ことは、今後ますますデザイン戦略のキーファクターとなりそうです。

これはプロダクツデザインだけではなく、ウェブやコーポレートコミュニケーションも同じことです。デザイン思考などとも言われている分野と重なりますね。



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記号で記号を表すビジュアルコミュニケーションは不利?「何か」や「誰か」に代用させない
2.「アイデンティティデザイン」(Brand Identity)

課題「下堂薗有機農園(お茶)シリーズのパッケージ開発」で企業賞を受賞されたのは、井本 拓夢さん(東京都)。イラストやデザインをあしらうためにクライアント側が用意したパッケージテンプレートに対して「二次的なイラストやグラフィックを飾るのではなく、商品そのもの、つまり茶葉をメインヴィジュアルとすべき」と提言。店頭における優位性に配慮してシンプルで省スペースなパッケージを提案。クリア素材を使用して積極的かつ印象的に茶葉を魅せています。

「ブランディングは終わった」などという過激な言葉を耳にすることもありますが、古典的なパーソナルブランディング手法といわれるもので「有名人と肩を並べて親しそうに写真を撮る」とか「プロフィールに実積や肩書きを最大限に見せる数字や表現を使う」というものは、あきらかにソーシャルメディア全盛の今、最適な戦略とは言えないかもしれません。

ですが、ビジュアルコミュニケーションという領域でのブランドアイデンティティであれば、むしろその重要性は増していると感じます。昨年から登壇しているビジュアルコミュニケーションセミナーなどでも、ソーシャルメディア時代に○○で××を宣伝する事の危うさについては再三お伝えしています。



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造形・構図・色彩が優れているのはもはやあたりまえの時代に・・・?
3.そのデザインは社会に対して良い事をしているか?「社会性のデザイン」(Social Good)

最終プレゼンのあと最終審査がおこなわれたのですが(もしかして審査が揉めるかも?という状況にも配慮して)会場では多摩美術大学教授 佐藤拓郎先生によるキースピーチが行なわれていました。実際には審査はスムーズで、私たちも先生の講演を聴講したのですが、カンヌのアワードを事例としたマーケティングコミュニケーションの領域でも、今まさに同じことが起こっていると感じました。それが「社会性のデザイン」です。

大賞受賞者の佐藤春香さんは、デザイン作成のプレゼンテーションに際し、制作コストを計算。プロトタイプ作成における製造プロセスを公開し、廃棄の可能性もある豚革の再利用方法としてのタブレットケース製品化には、エコや雇用促進の効果があるという数値も公表しました。

デザインのコンペですから、構図や色彩、グラフィックが優れているのは当然です。ですが、鹿児島市の主催というアワードの主旨をきちんと理解し、会場の参加者にとっても明るい未来を想像させるようなコンセプトワークとプレゼンテーションは、大変にすばらしいと感じました。



最後に・・・
いかがでしょうか?自社の商品開発やブランディング・販売促進に役立つアイデアばかりではありませんか?実はこの他にもたくさん紹介したい、優れたデザイン提案がありました。詳細なレポートは、先ほどもお伝えした公式ホームページ「かごしまデザインアワード 2013」で後日、また、発表されると思いますので、ご興味をお持ちいただいた方、ぜひ、ご覧頂ければ幸いです。

かごしまデザインアワード
http://kagoshima-design.jp/



【編集後期】
今回、審査員にはデジタルハリウッド(学長)杉山知之氏日経デザイン編集長 下川 一哉氏もおられましたので、引き続きスクーリングが行われたり、特集記事レポートなども掲載されるかも(?)しれません。ぜひ、何かあるといいですね!

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打ち上げはレトロデザインが素敵な「かごでん」でおこなっていただきました。最終便で羽田から車を運転しなければならなかったので、名物の焼酎を頂けませんでした。(九州/佐賀ご出身の下川編集長は乾杯のビールを飛ばして最初から焼酎www。流石です!)本当に心残りです(笑)。また、ぜひ、ご招集頂ければ幸いです。
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和やかな雰囲気の中で「かごしまデザインアワード事業は継続の方向性」というお話もありました。今後の製品化や参加事業主さまのご発展をますます楽しみにしたいと思います。



※タイトルはほってんとリーメーカーで作成しました。
by ujipublicity | 2014-02-07 19:22 | ブランド構築とアイデンティティ