国立新美術館でオルセー美術館展が開かれていますね。私自身
パリのオルセー美術館には2度ほど行った事があるのですが、
先日、こちらに伺って本当にびっくりしたのは、その
「展示作品数の多さ」ではなく、
「来場動員数の多さ」・・・でもなく、実は・・・・・・
「壁の色」なのです。
普通に考えて印象派であればこんな明るいクリーム色とか
欧州ではたまーに、こんな展示室も見かけますね。
ですが、なんと、「壁の色」にはパステルカラーが。
比較的中間色明るめの色彩(油画)の背景が、彩度の高い(鮮やかさに勝る)紫系ピンクが塗られているのです!(びっくりしたー!)
部屋によってはグリーンやブルー。それはDICの色見本のようなパステルカラーで塗り分けられていました。
ちなみに実際には、人がとても沢山いたのでこんな感じ!
パステルカラーの壁を見に行ったみたいです。(作品より壁の方が目立つから・・・)
せめて白い壁だったらどうでしょう?
作品の方はさっきより明らかに目立つので、もしかしたらぐいぐいと寄って頑張って見に行ったかもしれません。
さて、美術館の壁の色は「何のため」にあるのでしょうか。どうして、このような配色になったのでしょうか。
非常に興味深いところです。(ちなみに
ウェブもインパクトありますねぇ〜。なぜ、三角とまるでピンクと黄色なんだろう・・・・?)
ちなみに「色」というのは絶対ではなく、相対です。「どんなにきれいな色」でも「それよりももっと彩度の高い(鮮やかさで勝る)色」と並べてしまえばその「奇麗さ」は半減します。つまり、作品の色合いがわざわざくすむような「派手な壁」を背景に持ってきてしまったり、そもそも来場者が多すぎては、作品をベストな状態で見れているとは言えないという事になります。人ごみや壁の色を見てしまったいる可能性だってあるのです。
今回、
オルセー美術館展に行かれた方は、ぜひ機会があれば、
パリのオルセー美術館にもお足を運ばれて見比べてみてくださいね。同じ作品がいったいどのように「見える」でしょうか。
さて、このような身近な疑問をズバリ解決するに相応しい、問題解決の実用書を先日頂きました。前作
ワンランク上の問題解決の技術《実践編》 がベストセラー、横田尚哉氏の最新刊です。
目次を紹介しておきますね。
1 タウン編
1 点字ブロックに見る顧客満足
2 街のカフェをファンクショナルに考える
3 ウォークマンが30年以上も売れている理由
4 生産効率を上げる通勤スタイルを考察する
2 オフィス編
1 「部長、ハンコください」って何?
2 社内規程は「誰のため」?
3 マニュアル地獄の社員たち
4 ロゴマークにはどんな意味がある?
5 「ホウレンソウ」は誰のため
3 プライベート編
1 活用しきれていない家電のファンクション
2 ファンクショナルではないリビングは要らない
3 資格取得マニアをタイプ分け
4 フェイスブックとツイッター
5 人がスポーツクラブに通う理由
4 パブリック編
1 不案内な案内図
2 学校教育と企業内人材開発
3 道路拡幅工事のジレンマ
4 河川改修からビジネスのヒントをつかむ
問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門 横田 尚哉 (著)
ちなみにウジパブリシティーでは、横田氏が代表を務める
「ファンクショナルアプローチ株式会社」のロゴ制作等もさせて頂いているのですよ。こんな感じ。こちらのロゴがどうやって創られたかも紹介をして頂いていました!
企業のシンボルマーク、ロゴマークについての鋭い考察も書き記されています。私はその道を本業としていますが、書かれていらっしゃる事はまさにその通りだと思いました。「そのデザインは誰のため?何のため?」を一デザイナーとしてもいつも忘れずに心がけていたいものです。
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