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いわき市のローヤル油機さんをよろしくお願いしますという話とその周辺で
福島県いわき市の「ローヤル油機」さんという商社(というか中小企業さんの部類に入ると思います)の支援事業(といってもブランディングのデザイン)を通じての、私自身が感じた震災後の感想を少し書いてみたいと思います。
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写真は機械要素工業展(エムテック)での会場展示の模様。ウジパブリシティーは今回、ロゴ、名刺、封筒、パンフレットなどのツール作成、パッケージデザイン、展示演出…などでこの支援事業に関わりました。こちらのローヤル油機さんは、いわゆる機械工業用潤滑油というのでしょうか。「グリース」の専門商社さん。今回の震災では、津波で倉庫や車を流されています。

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本当にたまたまなのですが東日本大震災の半年ほど前に、いわき市四倉の店舗経営者向けのデザインマーケティングセミナーの講師依頼があり、それがご縁でいわき市の商工会さんに「専門家登録」というものをしたことがきっかけです。(写真のいちばん左が商工会のご担当者の川島さん。右から2人目がローヤル油機の佐藤さん)
今回の支援事業にはその「福島商工会連合会」「福島ふるさとファンド」などが支援先となっており、ブランディングはそこからの委託事業というかたちとなっています。

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地方自治体がらみ、行政機関などのデザインやブランディング案件の……いわゆる「助成金ビジネス」というと「億単位のお金が動いて」「縁もゆかりもない東京の大企業から大勢の人がどっと押し寄せて」「いくつかのメジャー媒体などにニュースとして掲載され」「そして嵐のように去っていくんですよね」なんていう噂を地元関係者の方などから何度か耳にしたことがあるのですが、本件はまったくそういうきらきらとした種類のものではなく、まことに慎ましやかないわゆる受託案件。台風も心配された展示会ではなんとか天気にも恵まれ、3日間で約400人ほどの集客成果をあげることができました。(デザイナーさんはもちろん、施工や印刷、撮影のスタッフのみなさまにも多大なるご協力を頂きました。)

ローヤル油機さんというところは、多品種/少量(オリジナル調合も可能)/高品質グリースを人間の経験と知見による判断に頼って選択販売する「ニッチジャンルの目利き卸」ではないかと推測します。ビジネスにおいては独自性も競争力も潜在ニーズも、もともと持っているのです。

ところが、震災後、特に関西より西からの受注は目に見えての激減という現象が続きます。これはとても深刻な問題です。そしてあたりまえのことですが、工場向け機械油を扱う商社であれば、大きな工場というのはいずれにせよクライアントであり、当然の事ながら福島原発はどこかしらを経由して大きなビジネスの取引先であったに違いありません。

ローヤル油機さんに限らず多くの福島の方は、福島原発の誰よりも深刻な被害者でありながら、東電そのものはビジネスの上で重要な取引先のひとつであったことでしょう。良い悪いでは簡単に片づけられない複雑な思いが胸をよぎります。

現実的に考えて、すでに「昔に戻れない今」となっては、こういった被災地の一定数の方々は、新しいビジネスチャンスをなにかしらの方法で模索し続けなければなりません。
(実際、今回の展示会では今までにない販売ルートやビジネスの可能性と繋がることができた、ご担当の佐藤さんにはそう言って頂きました。)

いわき市に何度か通って思ったことは、今はとても活気があり、賑わっているということです。復興のための企業の前線の基地にもなっているのでしょう。ですが、駅前のお土産物屋さんの店先に以前ところ狭しと並べられていた「フルーツトマト」や「メヒカリ」を見かけることはありません。




先週末だったと思いますが、福島原発4号機の心配な状況について、気になるニュースが入りました。デモのニュースはそれなりに流れていた気がしますが、4号機についての続報は届かず、結局状況はよくわかりませんでした。ちょうど、商工会さんのご担当者につぎのお仕事(県内の起業家をブランディング、マーケティング視点から応援するビジネスセミナー)のメールをやり取りさせて頂く機会があり「4号機は大丈夫なんでしょうか」と知るはずもないのに思わずお尋ねてしまいました。だって、知りたいですよね。今、実際のところはどういう状況になっているのかなという「真実」や「状況」について。

「世の中は情報化時代で、グローバル化で、ソーシャルメディアでキュレーションされた適切な情報が求める個人に届けられる時代へと突入しています、ですから、伝えたい情報を精査して、デザインして届けましょう」などと、自分自身が顧客にお話している毎日です。ですが、私自身、ツイッターやフェイスブックも含めウェブサービスについてはそのほとんどをビジネスの「コミュニケーションツール」として長時間使用しているのも事実。もしかしたら、ひょっとしたら、プロモーションに繋がるかもしれないなんていう「コミュニケーション」ばかりを優先しているのかも。きちんと知りたいという情報をほしがる気持ちが少し足りないのかもしれません。



「デザインで(震災の復興に)何が貢献できるのか」



こういったことを知りたいと思う方はむしろ少数派なのかもしれません。ですが、この、福島商工会さんとのやり取りだったり、いわき市で自分の足で動き目で見てきたことについては、ぜひ、きちんと過不足なく伝えるということにチャレンジしてみたいと思います。もしも見守ってくださる方がいらっしゃるのであればですが、ぜひ、応援してください。がんばります。



【編集後記】
ブログ記事にも書きましたが、復興支援の一貫として、起業家を支援するための「ビジネスモデルデザイン」「ストーリーブランディング」「デザインマーケティング」のビジネスセミナーがこの秋、開催されます。


<予告>人気ビジネス著者講師群による豪華な「起業家支援セミナー(仮題)」開催!
(主催:福島県商工会連合会)※県外の方も参加できます!
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[プログラム]

10/13(土)10/6(土)に変更になりました!ご注意ください
トレンドにマッチした販路・人脈づくりの考え方(担当講師:小山龍介)
10/20(土)ストーリーで自分のFUNをつくる1(担当講師:川上徹也)
10/27(土)ストーリーで自分のFUNをつくる2(担当講師:川上徹也)
11/10(土)デザインで競争相手に差をつける1(担当講師:ウジトモコ)
11/17(土) デザインで競争相手に差をつける2(担当講師:ウジトモコ)
<内容は変更になる場合があります>

詳細は後日。ぜひ、みなさん、いわき市でお会いしましょう!

【追記】詳細情報が
▼2012いわきビジネスパーソン育成セミナー【福島県いわき市】
http://www.keieishien.net/2012/09/post-32.html
こちらでご覧になれます。ぜひ、みなさま、お誘い合わせの上ぜひいわき市へ!
by ujipublicity | 2012-07-12 11:56 | ブランド構築とアイデンティティ