「セミナーをやりました!」みたいな記事が続いてしまいましたので今日はカラーのお話です。
図はデザインを担当した機能的名刺入れ「harrytoree(C)」のイメージと広報・PR 活動の同一性を保つために規定した特色カラー名とウェブカラー。(他にプロセス4色の指定もありますがこれは企業秘密で、理由があって公開していません。)

カラーのマネジメントはブランドの特色を印象的に訴求し、認知度を高める上で大変重要です。すべてのツール、メディアに展開可能なカラーマネジメントのためにもデザインのガイドライン制定は超推進中。ブランドの持続継続には必須のアイテムですからね。
ところが意外にも「キーカラーなら決めてある」けれども「カラーマネジメント」や「デザインガイドラインの制定」はこれからです、というプロジェクトは多いようです。ウェブサイトや空間デザインを実施するにはキーカラー以外に、必ずさまざまなカラー組み合せる必要があります。セミナーなどでもとても質問が多いので「パレット」という考え方を含めて「基本の3パターン」を紹介します。
【pattern1 一色訴求(戦略)】
「何色を使うか」と同じかそれ以上に大切なのがロゴイメージから導きだされる色数のマネジメント
一色訴求とはその名のとおり、キーカラーをメインに展開するイメージ戦略のことです。一見、簡単なように思えますが、同業者や同カテゴリーのサービスにおいて、先行しているブランドが使用していてすでに市場で認識されている色は使えません。デザイナーやデザインマネージャーはクライアントの好みや主張だけではなく、市場のカラー頒布領域を理解しておく必要があります。
【pattern2 多色訴求(戦略)】
キーカラーとサブカラー、あるいは選び抜いた数色の組み合わせで少ない色数でも印象的な表現
一色訴求に対する、キーカラーに対して異なる色相のサブカラーあるいは組み合わせカラーを持つ訴求表現です。多色使いのロゴ事例としては、IKEA、Tully’s Coffee、BURGER KING、BaskinRobbins31などがあります。思い浮かべるとどれも個性的で、ロゴを中心に印象的な店舗演出をしていることがわかります。
【pattern3 パレット訴求(戦略)】
たくさんの色があるけれども、何かしらの統一感があり全体としてはバランスがいいのがパレット訴求
1~2 色ではなく5 ~6以上のコンセプチャルな色の定義を持ち、場合によっては色数が増えたり減ったりするものです。代表的なものとしては、アドビ社のCreative Suite などがあります。サービスや製品ラインアップが不定期に増減したり、ロゴそのものに拡張性が求められる場合にもニーズがあります。自由で汎用性があり、かつ同一カテゴリーに見える「パレット」という考え方です。(先のハリトレーの事例も同じです。)
デザインガイドラインで意外に難しいのは、1と2のパターンです。ウェブサイトであればリンクカラー、空間デザインであれば壁や床の色、グッズのデザインであれば例えばシャツの地色など、ブランドの規定色を指定する事はほとんど不可能の場合は多くあります。
少なくとも自分のブランドが1色キーカラーのみしか制定されていない場合は、ブランドカラーを引立てるサブカラーなどを数色規定しておく事は必須でしょう。
【編集後記】
台風、予想以下で本当に良かったですね!いよいよ夏も本番。みなさまどうぞ良い週末を☆