
このブログにしては、過激なタイトルですね。
インターネット(ミニブログ)で先日流れてついた画像。Myriad好きのデザイナーがHelveticaをDISっているわけですが。。。
デザイナーにとって、どんなフォントを選ぶか、どんな組み方をするかというのはその人の「判断力とセンス」の可視化、まさに「ポリシー」でもあり、非常に重要極まりない問題。特にそのフォントの適正(トンマナ)については、よくご質問を受けるのでいくつか代表的なサンセリフ(書体)を今日はご紹介してみます。

ちなみにこのブログのタイトルの書体は、GILL SANS REULAR
10年程前は、乱用してよくクライアントにしかられました。女性好みの書体というか、つまり、ファッション誌や人気デザイナーなんかも多用していて、その当時の流行書体でした。

お仕事をご一緒させて頂くこともあるデザイナーのEMIKOさんは
女性雑誌やエディトリアルが得意なんですが、FUTURAの使い方が上手だなぁ。
ちなみに、FUTURAといってもいろいろございまして、EMIKOさんさんが好んで使われるのがFUTURA Tっていうフォントファミリー。かちっとしてるのに、可愛さがある、というところもミソ。
LOUISVUITTONのキータイプフェイス、ファッション雑誌の
ELLE画見出しに使っていたり、よく見かける書体のひとつです。

ITC ERASは、書体サンプルの文字だけ見ると以外にフツウのサンセリフのフリをしています。が、とんでもないくせ者です。名前も、「エラス」ですしね(笑)。フォントだけでデザインをしてしまいたいときなど、けっこう便利に使える書体でもあります。

Myriadは、デザイナーから熱烈な支持を受けているFrutiger体の代替えを背負うべく開発された書体ともいわれています。APPLEやAdobeのコーポレートフォントとしても有名ですね。
なんとなく、IT系のトンマナにいち早くたどりつきたい!というひとは、けっこうMyriadを愛しているかもしれません。この、冒頭で紹介した「FUCK HELVETICA? LOVE HELVETICA?」のビジュアルをつくった人の気持ちもよく解りますよ。効率よくそれっぽくなれるという意味でMyriadのバランスは絶妙です。

実際、HELVETICAって、こうして普通に組んでみると,なんか保守的?お役所っぽい?堅い?・・・・・・・。だ、だ、ださい?なんか、ぱっとしないフォントに見えてしまうのかもしれません。
ええ、私も若い自分は、尖ったところばかり追っていたので、、、、
そんな風に感じていたこともかつてはあったかもしれませんね。
ところが
ですね、、このHELVETICAっていう書体は
完璧なバランス、くせがない超オーソドックさ、それらが実に不思議な現象を起こしてくれます。
書体そのモノが持つ人格のようなものを一切「無」にして
「自由にデザインさせてくれる」という、まさに優れた、名優なんです。
グラフィックの中の究極のミニマリズムにもなりうるし、アニノマスでもあり得る数少ないフォントなのです。
このサンプル以外にも、実にスタイリッシュに魅せることも、そして柔らかく組み上げることも可能。昨日もあるロゴ案の採用連絡を頂きましたが、HELVECIAを使用しており、鮮烈かつ洗練を極めたデザインに仕上がってご好評を頂いています。
デザインにはやはりはやし廃りというものはあります。そういった時代の空気性を超越できると衣利点でしょうか。難をいえば、デザインの上級者向けかもしれません。
なかなか、手綱は取りにくい書体かもしれませんね。お忙しい方はどうぞMyriadで(笑
そして、もちろんそれは、恥じる事ではありません。
ということで、はっきりしておきましょう、私のスタンス。
HELVETICA LOVE! 大好き!